2005年02月05日

天吉@関内、あるいは横浜の老舗について

昨日の叶家に続き、実家シリーズ第2弾。
今日はサザン「ハラ坊」の親戚の経営、
130年余りの伝統のある、てんぷらの「天吉」にお邪魔しました。
ここはかき揚げが有名なようです。しかし値段は1500円ほど・・・
エビ、ホタテを使っていて原材料も高いのでしょうが、この値段には躊躇してしまいます。
たいしたことがないと感じたときのダメージは少ないほうがいいと、
瞬時に防衛反応をとってしまい、天丼セット945円をたのみました。

tenndonn.JPG
構成物は、サラダ、天丼、お味噌汁、お新香、抹茶アイスです。
天丼の’天’は、かぼちゃ、インゲン、キス、エビです。色濃く揚がっています。
大盛りでたのんだご飯の上でそれらは、隙間を空けないように必死にまとった衣をひろげ、精一杯虚栄を張っているようです。しかし寂しさは隠しようもありません。
タレは見た目の濃さと対照的にかなりさっぱりしています。
変に甘ったるいものが多い最中、この点は歓迎すべきところです。
しかしこの天丼・・・。ホント普通なのです。
まずいと言い切るところはどこにもないのですが、うまいと唸るところも、どこにもありません。
てんぷらのキーワードとして不可欠なもの、
さくさく・ホカホカ、なんていうのもあまり感じられません。
鮮烈とまでは言いませんが、何か少しでも「ほほぅ」と唸らせてくれればあればそれでいいのです。
昼食時1000円という支払いは、それくらい望んでも決して無理なものではないとおもいますが・・・。

tennkiti.JPG天吉
横浜市中区港町2−9

定休:第一、第三月曜

天丼セット945円
かき揚げ丼1495円
エビ天丼など



PS.関内近辺の「横浜の老舗」と謳っている各店舗にお邪魔して、一様なものを認めました。

どこも店構えはさりげなく、ちょっとした重厚さも漂わせています。しかしけっして敷居は高くなく内部は庶民的ともいえるほどです。
料理には許容範囲ぎりぎりの価格設定がなされています。
こんな伝統あるところで、この値段ならまあ許せるか。
そういう感想を抱かせるように仕向けてきます。
敷居をまたぐのにそんなに違和感もない、値段もすごく高いわけではない。
それではたまには行ってみるのもいいかなと思わせる仕掛けがあります。
(この種の店に典型的な客−職場の上司と部下の会食と思われる徒党を組んで、やってくるものども。あるいは若い女子社員を連れたトクトウのオヤヂなど−)
どこも、集客に好都合な立地です。昼時はかなり混み合います。
厨房では、右から左へと食材を加工していきます。大量の資本を投下し、大量の客を捌き
利益を得る。大量消費社会の原則に適っています。
どこもフロア担当の熟年女性が多いのも特徴のひとつです。
そのせいか接客に関しては行き届いています。
またレジあたりには、決まって金勘定をする店主、マネージャーがいます。

老舗というのはつらい立場にあるというのは承知しております。
伝統の味を守ることは、日々の進歩を止めることにも等しいことです。
冒険をして、簡単に味を変えることなど許されないことでしょう。
くわえて、食材は確実に年々その質を落としてきています。
野菜や、魚にしても、創業当時の本来持っていた味を堪能するのは、至難のことです。
他の多くの店は、老舗の味を模倣し、さらにそれを超えようと日々研鑽しています。
古きよき味。すぐにそれは一般的な味のレベルにまで、貶められてしまいます。

名前、雰囲気、宣伝、そんなものに力点は移っていきます。
味で斬新さや鮮烈さを伝える道を閉ざされた彼らは、老舗というひとつのブランド
場の雰囲気、空間の魅力でしかアピールするすべがないのです。
そのため接客は重要な部分です。旅館の仲居のような器量も要求されるため、おのずとベテランの方々の起用となるわけです。

横浜の老舗といわれるところ。
仏の顔も三度までと、先人は言いました。
もうほとほと嫌気がさしました。
私はいったいなにを求めていたのでしょう。
横浜の昔の面影でしょうか。
代々受け継がれてきた。伝統の片鱗でしょうか。
それは、私の心の奥底に眠るわが民族の原初を希求することと等しく、むなしい徒労だったのでしょうか。


濱の老舗の記事

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とんかつの勝烈庵
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Tracked: 2007-11-29 00:15