2008年07月18日

”うしくん”との出会い

相模縦貫道
今大々的に工事が進められています。
相模川の岸辺、海老名や厚木あたりはその巨大なコンクリート建造物が屹立し、
川辺の景観を大きく変えつつあります。

縦貫道に接続すべく敷設された国道20号線はすでに県央地区をとおり
幾多の起伏を迂回することもなく、すべてを横断するようにまっすぐに伸びています。
その道の中程、藤沢市でも内陸部、陸の孤島と呼んで差し支えない柄原地区辺りの道ばたは、まだまだ開発が追いつかず、あるいは開発していこうという思想さえ存在しないのか、ぴかぴかの道の傍らで旧来の状態で打ち捨てられた風景に遭遇することが多くあります。

昼下がり、人など誰も通らない嘘くさいばかりにこぎれいで整った歩道のすぐ脇に、簡単な囲いに覆われただけの広さ20平米ほどの牧草地があり、そこに”うし”が3匹、放し飼いにされていました。
急峻な坂の傍らにあり、自転車で漕いでくるならばその運動の完結地点でもあり、ここら辺で一服でも・・・といきたいところです。
そう云う意味では行程上重要地点でもあるのです。

私、(あるいは皆そうなのかもしれませんが)”うし”については知るところが少なく、接してみようにもその気分・状態をつかみかねると言うか、
しっぽを振って歩み寄って来る犬のように解りやすい心理状態を示す図式がありません。

いつぞや・・・
他の農家にトラクターを貸与した際、そこでピックアップしクリーンアップして自圃場へ向かうという局面がありました。
納屋にしまわれていたトラクターを堆肥集積所の近くの空き地に移し、作業を行いましたが、そのすぐ隣には幾頭もの”うしくん”がつながれている場所がありました。
一番近くにつながれていたひときわ体格のいい奴は「ブルブル」やら「ゲプッ(げっぷの音)」やら絶えず何かしら音を立て、せわしなく動き回り、落ち着きがありません。
目つきも妙に挑戦的です。
そう云う目立つ行為に出なければこちらも完全に無視してかかったに違いないのですが、「こ奴・・・何かしでかすかも・・・」
そう云う疑念を私に抱かせてしまったので、仕事を続けつつ常に横目でにらんでいました。
そのわたしの目線は彼にとって非常なストレスになっていたようです。

作業も一段落し、帰り際、私の博愛精神の発露。
こういう抵抗勢力とも心通わせておこうか・・・といらぬ優しさを発揮したのですが、
こ奴、とことん小心者だったようで、私の差し出した藁片に必要以上におびえ、突然激しい脱糞と放尿という攻撃に出ました。
少なからずその却りしぶきを浴び、愛情を誤解され、やり場のない気持ちを抑える術もなく、こ奴に対し思いっきり”けり”を入れる暴力行為へと発展してしまいました。

ushikunn.jpgさて今回の”うしくん”・・・白目をむいて近寄ってきます。
あるいはいきなりの攻撃に来るのでしょうか。
そう思ったのもつかの間、
素晴らしい質感を伴った牛タンを惜しげもなくのばし、頭を低く下げお辞儀をするがごとく媚を売ってきます。
試みに近くにあった雑草を一輪摘み取り、彼に差し出すとその舌をぐるりと回し、よだれを垂らしつつ、鼻面を大きくこちらに向け、我にすがってきます。
なんか・・・非常に
「かわいい」のです。
一番積極的な奴は、他1頭が前面に出て我の手から草を得ようという状況になると、
そこに野生の猛々しさが出るようで、激しくそいつを攻撃して自分だけがぶつを得ようとしゃかりきになっています。この仲間同士の格闘には少し恐怖を覚えましたが、私に面を向けるとまたお辞儀をするのです。

さて先日、
今度は藁片を密かに用意し、彼らに会いに行きました。
ところが・・・
その牧草地自体が掘られ均され、住宅用分譲地になっていました。

”うしくん”たち・・・(将来的にそうなる運命だったとはいえ)
売られちまったんでしょうか。

またお気に入りの場所がひとつ失われてしまいました。



posted by renn at 20:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 小さな旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/103142221

この記事へのトラックバック